ジェットグラウト工法は、超高圧噴流体を使って地盤を切削し、地盤改良を行う工法です。ジェットグラウト工法には、硬化材そのものに超高圧をかけて土を切削すると同時に地盤を硬化材で撹拌混合し、円柱状の改良体を造成する「JSG 工法」と、超高圧水で土を切削し、そのスライムを地表に排出させると同時に硬化材を填充し、円柱状の改良体を造成する「コラムジェットグラウト工法」があり、地質、深度、その他あらゆる条件下での地盤改良に対応しています。
永年つちかわれた実績と高い信頼性があるジェットグラウト工法は、大規模なウオーターフロント開発、大深度ジオフロント開発工事などの大型工事においても補助工法のひとつとして、その主役的地位を占めています。
■使用材料
硬化材名 | 分類 | 主な適用範囲 | 性状 | 主な適用例 |
---|---|---|---|---|
JG−1号 | セメント系 | 強度発現型、通常地盤強化止水 | 標準タイプ | 底盤改良、土留め欠損部、支持強化 |
JG−2号 | 〃 | 強度抑制型、通常地盤強化止水 | 中強度タイプ | 発進到達防護、路線防護 |
JG−3号 | 〃 | 同上 | 低強度タイプ | 同上(小口径推進用) |
JG−4号 | 特殊セメント系 | 腐植土用、地盤強化止水 | 腐植土タイプ | 底盤改良、土留め欠損部、管路部 |
JG−5号 | 〃 | 粘性土用 | 高流動性タイプ | 重要構造物近傍 |
■改良設計強度
硬化材名 | 土 質 | 一軸圧縮強度 (MN/m2) |
粘着力 c (MN/m2) |
付着力f (MN/m2) |
曲げ引張強度 (MN/m2) |
変形係数E50 (MN/m2) |
---|---|---|---|---|---|---|
JG−1号 | 砂質土 | 3 | 0.5 | 1/3C | 2/3C | 300 |
粘性土 | 1 | 0.3 | 100 | |||
JG−2号 | 砂質土 | 2 | 0.4 | 200 | ||
JG−3号 | 砂質土 | 1 | 0.2 | 100 | ||
JG−4号 | 腐植土 | 0.3 | 0.1 | 30 | ||
JG−5号 | 粘性土 | 1 | 0.3 | 100 |
ジェットグラウト工法の基本原理
ジェットグラウト工法の基本原理は、液体に高い圧力を与えて得られる強力なエネルギーによって地盤を切削破壊し、硬化材と土とを撹拌混合して強固な改良体を作るものです。
◼️土を切削するための条件
1. 液体を超高圧で噴射させるためには馬力の大きなポンプと先端を絞った精密なノズルが必要です。ノズルが悪かったり、傷ついたりしていると超高圧噴流水は割れてしまい、土を切ることはできません。超高圧噴流水の水束をコアとして正しく確保するためには精密なノズルが不可欠となります。
2. 超高圧噴流水のまわりに空気を沿わせることにより、切削距離を大幅に伸ばすことができます。またこの空気は役目を終えた後、自由面を求めて地表面に逃げていきます。その時の空気のリフト作用により切削した土粒子等を地表に排出して、人為的に空間を作っていきます。つまり空気は
●超高圧水の切削距離を伸ばす。
●切削した土砂をそのリフト作用によりスライムとして排除する。
の2つの重要な役割を果たしているのです。